-知識を知恵に- CDAの倫理基準 CC

CDAには倫理基準が定められています。

今回は、この倫理基準について、その内容を見て

みたいと思います。

 

ここでいう「倫理」とは、ただ単にルールを

守るといった受け身的な要素だけではなく、

専門職として“積極的に同業者同士で自分たち

を律することによって、社会の中でその専門職

が信頼を得ていく”という、積極的な意味を持つ

言葉として位置付けています。

 

CDA倫理基準

第1条(目的)

 この規程は、特定非営利活動法人日本キャリア開発

 協会(以下、協会と称す)のCDA会員がキャリア

 カウンセリング業務を行うにあたって遵守すべき

 事項について定め、CDAの質の向上を図り、適正な

 キャリアカウンセリング業務を通じて相談者及び社会

 一般に寄与することを目的とする。

 

第2条(業務の範囲)

 CDAが行うキャリアカウンセリング業務とは、キャリア

 支援、キャリア開発等に関するものであり、心理カウン

 セリング、心理療法等は含まれない。

2 CDAは業務の範囲内で行動しなければならない。

 

第3条(教育と実践)

 CDAは、教育や実践を継続し、実務や業務内容を向上

 させることを義務とする。

 

第4条(ニーズのバランス)

 CDAは、クライエントとクライエントが所属する組織

 のニーズのバランスを保つように努めなければならない。

 

第5条(アセスメント)

 CDAは、訓練を受けた範囲内でアセスメントの各手法

 を実施しなければならない。

 

第6条(公序良俗)

 CDAは、法律や公序良俗に反するような行動をとっては

 ならない。

 

第7条(守秘義務)

 CDAは、業務上知り得た秘密を守らなければならない。

 

第8条(製品とサービス)

 CDAが講義、講演、電話、ホームページ、新聞、書籍、

 雑誌、テレビ、ラジオなどで提供する製品やサービス

 は、本規程に見合うものでなければならない。

 

第9条(選択の自由の容認)

 CDAは、クライエントの選択の自由を容認し、それを

 擁護しなければならない。

 

第10条(専門家への相談)

 CDAは、自己の能力の限界を超えている、あるいは

 CDA本来の業務の範囲を超えていると判断した場合は、

 当該分野の専門家に相談や指導を求めなければならない。

 

第11条(雇用主などへの警告)

 CDAは、仕事や福利面でクライエントに悪影響や障害

 を与える恐れのある場合は、その旨をクライエントの

 雇用主などに警告しなければならない。

 

第12条(雇用主などへの報告)

 CDAは、自己の業務を効果的に遂行できないような

 状況にある場合は、その旨をクライエントの雇用主

 などに報告しなければならない。

 

第13条(クライエントとの関係)

 CDAは、クライエントと性的、あるいは恋愛関係を

 持ってはならない。

 

第14条(セクハラの禁止)

 CDAは、クライエントに対してセクシュアル・ハラス

 メントを行ったり、あるいは、それを見過ごしたりして

 はならない。

 

第15条(個人的問題の持込み)

 CDAは、クライエントとの間に自己の個人的、あるいは

 仕事上の問題を持ち込んではならない。

 

第16条(差別の禁止)

 CDAは、クライエントを年齢、性別、宗教、身体的障害等

 により差別してはならない。

 

第17条(人格権の保護)

 CDAは、クライエントの人格を尊重し、権利や人間として

 の尊厳を保護しなければならない。

 

第18条(合意の確立)

 CDAは、クライエントとの間に、守秘義務、公的・私的

 資料の区別、記録の保持と開示、仕事量、責任などに

 ついて合意し、その内容を明記しなければならない。

 

1つひとつの条文は、端的、明瞭に書かれていて、

読みやすい倫理基準になっています。

 

なかでもポイントとなる要素が大きく4つあります。

①自己決定権の尊重

 クライエントはすべて、基本的には自分のことは

 自分で決められるという自己決定権を持っている

 ということを理解しておく必要がある。

 

②守秘義務

 原則として、クライエントの了承なしに、面談の

 内容を他者に漏洩してはいけません。

 個人情報保護という法的な観点ももちろんあります

 が、ここがブレてしまうと、クライエントは安心

 して相談することができなくなってしまいます。

 キャリアコンサルタントとクライエントとの信頼関係

 を構築するうえでも、重要なことです。

 ただし、クライエントの身体に危険が及ぶような

 ひっ迫した事態であれば、守秘義務を上回って家族や

 雇用主に警告する義務が発生する例外もあります。

 

③多重関係の禁止

 キャリアコンサルタントとクライエントが、対人

 援助の専門家と相談者という関係性を超えて個人的

 な関係を持つことを禁止しています。

 相談をお聴きしているうちに、心理的に頼られる

 場面がままありますが、キャリアコンサルタントと

 して頼られているのであり、個人的に頼られている

 のはないと、混同したり勘違いしないようにしなけ

 ればなりません。

 

④業務の範囲

 CDAが行う業務は、キャリアカウンセリングに

 限られています。専門外の仕事や能力を超える

 仕事をしてはならないとしています。

 同時に、専門的知識や技術の向上を図ることが

 求められています。

 

倫理は、法律や条文を丸暗記したからといって

守れるようになるようなものではなく、日々の業務

を通して、自分の業務を振り返りながら、体感的に

身に付けていくべきものとされています。

 

一朝一夕に身につくものでもなく、経験を積みながら、

倫理的なセンスとして体になじませていくような長期

に亘る修練が必要です。

 

また、1人で抱え込んで身に付けるのではなく、

日々の研鑽と、周囲の指導者やアドバイザーに教わる

姿勢を持つことも大事です。

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