-知識を知恵に- 労働契約の部分的無効編 SR

今回は労働基準法第13条を見てみます。

 

「労働基準法で定める基準に達しない労働条件を

定める労働契約は、その部分については無効と

する。この場合において、無効となった部分は、

労働基準法で定める基準による。」

 

労働基準法は、労働条件の最低の基準を定めた

法律です。

この最低の基準に達しない労働契約がある場合に、

その基準に達しない部分が無効となり、その無効と

なった部分は労働基準法で定める基準まで引き上げ

られます。

 

例えば、労働基準法では、1日の労働時間を8時間と

定めています。

ですので、原則として1日10時間の労働時間を

定めた労働契約は、労働時間の部分について

無効となり、1日8時間とされます。

 

これは、労働契約の当事者、つまり、使用者(会社)

と労働者の合意があっても無効とされます。

 

民法で定める契約においては、強行法規に違反する

部分がある場合には、全体を無効とするか、その部分

を空白とするとされていますが、労働基準法第13条

では、労働契約全体を無効とするのではなく、部分的に

無効とすることで、労働者の保護を図っています。

 

この労働基準法第13条と似た構成の条文が、労働組合法

にあります。

 

労働組合法第16条

「労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に

関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。

この場合において無効となつた部分は、基準の定める

ところによる。労働契約に定がない部分についても、

同様とする。 」

 

この労働組合法第16条では、基準に達しないではなく、

基準に違反する労働契約の部分的無効を定めていて、

よく労働基準法第13条と対比されます。

 

さらに、労働契約法第12条にも、次のような条文が

あります。

「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める

労働契約は、その部分については、無効とする。

この場合において、無効となった部分は、就業規則で

定める基準による。」

これは、就業規則に対して、基準に達しない労働契約

の部分的無効を定めたものです。

 

構成が似ている条文は、スーッと読み飛ばしてしまい

がちですが、気をつけて見てみると、それぞれ、「労働

基準法」「労働協約」「就業規則」に対して、その基準に

「達しない」「違反する」と違いがあることがわかります。

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