-知識を知恵に- 就業形態 出向編 SR

前回の労働者派遣に続き、労働基準法の適用上

特殊な就業形態とされている出向について見て

みます。

 

まず、出向には2つあります。

①在籍型出向

②移籍型出向

です。

 

在籍型出向とは、労働者が出向元との労働契約を

維持しながら、出向先との間にも労働契約を締結

し、主に出向先で労務を提供する就業形態を指し

ます。

 

出向元と出向先の両方に労働契約関係があるので、

出向元・出向先・労働者の三者間の取決めによって

定められた権限と責任に応じて、出向元と出向先の

それぞれが労働基準法上の使用者としての責任を

負います。

 

実務においては、労働者派遣と在籍型出向の区別

について気をつけなければなりません。

両者はそれぞれ、派遣先又は出向先の指揮命令に

従って労務提供することから、よく似ている就業

形態だからです。

 

労働者派遣と在籍型出向の違いは、次のとおりです。

【労働者派遣】

 派遣先と派遣労働者の間には指揮命令関係がある

 だけで、労働契約関係はない。

【在籍型出向】

 出向先と出向労働者の間には、指揮命令関係と

 労働契約関係が成立している。

 

なお、在籍型出向の場合の労働基準法の適用について

は、原則として下記のとおりです。

 

〇賃金関係 

 支払いの責任を負っている側

 控除協定等についても責任を負う。

 

〇労働時間、休憩、休日、休暇関係

 出向先

 36協定についても責任を負う。

 

〇安全衛生

 出向先

 

〇災害補償

 出向先

 労災保険についても責任を負う。

 

〇就業規則

 出向元・出向先双方

 権限を有する事項について責任を負う。

 

〇賃金台帳、労働者名簿

 出向元・出向先双方

 

ただし、最近は「出向」と呼ばれる就業形態も複雑化

し、各社によって多様に取り扱われています。

実態に即して使用者責任の所在を明確にしておく

必要があります。

 

出向の2つ目である移籍型出向とは、

出向元と出向労働者との労働契約関係は終了し、

出向先との間にのみ労働契約関係がある就業形態

を指します。

 

この場合は、出向先とにだけ労働契約関係がある

ため、労働基準法上の使用者責任は、出向先が

負うこととなっています。

 

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